南北朝時代、当地方(福島県東白川郡)を南郷と呼びました。
陸奥への主要道のひとつである水戸と郡山を結ぶ旧茨城街道沿いの奥州最南端の地に位置し、気候温暖で人情細やかな山辺の里から[みなみのさと]なんごうと命名しました。
創業天保4年(西暦1833年)以来百六十余年、風土の特色である、おだやかな酒と品質本位をモットーに、名勝地東北の耶馬渓矢祭山を擁する清流久慈川の伏流水を使い、伝統的な酒造りの手法がいまもなお受け継がれています。人手が必要と思われるところは、あえて機械化せず、丁寧に酒を造ることに心がけております。
酒は全般的に淡麗辛口で、口当たりがよいのが特徴です。特に久慈川でとれた鮎をつつきながら、ぬる燗を飲れば、スルスルと際限なくのどを通します。